このネットワークは各種国家資格を有するマンション管理士の面々がマンションにおける様々な難問を解決の途へと導くスペシャリスト集団です。
マンション管理支援ネットワーク 〜福岡マンション自主管理の奨め |
福岡でもマンション自主管理やその他マンション管理に係る相談窓口は一見多数あるように思われますが、現実に即した相談窓口が少ないことは相談したことがある方ならよくおわかりでしょう。マンション管理士無料相談等で的を射た回答が得られずイライラしたことはないですか?
このマンション管理支援ネットワークは、そうした福岡のマンション自主管理についてのアドバイスや現にマンション管理問題に直面している方々の悩みを具体的に解決する為に、各分野の国家資格を有するマンション管理士が専門スタッフとして問題の根幹を探り、 具体的な解決策を提案することを目的としています。
将来、ますます老朽化マンションが増え、給排水管やガス管の配管や各種設備改修等を含めた大規模修繕や建て替えを検討するマンションも多くなると思います。そのとき、年金暮らしの区分所有者の増加で、管理費、修繕積立金、また大規模改修工事の一時拠出金等が払えなかったり、また、各区分所有者の個別の問題である売却あるいは賃貸や相続に係わることなど、更には不景気の中で管理会社が倒産するな
ど、さまざまな問題が予想されます。このような簡単には解決しない問題に直面して戸惑うこともあるでしょう。
マンション管理支援ネットワークでは、福岡にける自主管理や上記のようなマンション管理問題など、マンションに係わる様々な悩みに応えられる組織として窓口を設けております。どんな些細な相談でも構いませんので、
気軽に相談して問題解決の糸口にしてもらえればと思います。マンション管理組合としての相談でも結構ですし、全くマンションに関係のない個人的な相談でも構いません。法律問題あるいは不動産に関することなど各種専門家が相談に乗りますので、是非活用されて下さい。
ご相談にお応えする面々の資格です。 |
タイムリーな話題 | ||
福岡マンションの自主管理について |
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自主管理に移行するための手間を省くため、業者に協力してもらうのも一つの手です。先ず、自主管理ではなく、管理会社変更の場合から説明させていただきます。 管理会社を変更する場合には、多くの作業が必要になります。理事会で最終決定をする理事会では、テーブルの上に候補会社の資料、プレゼンテーションの資料、管理会社変更を決めてから新しい管理会社の管理開始に至るまでの予定表などが用意されているはずです。しかしそのような状態にするためには、それこそものすごい数の工程があります。 管理会社の変更がなかなかできないのは、そのような作業をすることがとても面倒なことが一因です。管理会社を変えることには賛成するが、そのための作業をすることはできない。面倒くさいからではなく、仕事があるのでできない。そういうケースが殆どの場合です。まして、管理会社変更の作業には、現管理会社の協力は望めませんから、殆どの作業を自分たちでやらなければならない。しかも水面下で動かなければならないのですから、大変です。 そのような場合に有効なのは、業者に協力してもらうことです。管理会社変更コンペに参加する業者に、コンペの手伝いをしてもらいます。場合によっては、費用的な負担にも応じてくれるでしょう。業者は仕事を取るための営業経費と割り切って協力してくれます。それを条件としてコンペに参加してもらうという形でもいいでしょう。 最初から、コンペに協力してくれても、コンペ自体には有利にはならないことを言っておくべきですが、各業者が平等であるなら、業者も納得してくれます。 そのようにして管理会社変更についての役員の手間は省けます。 管理組合が管理会社変更や、自主管理を行う場合、全部の作業を自分たちでやろうとすると行き詰まります。役員になることすら、できれば遠慮したいのに、管理会社変更や自主管理というとても面倒な作業ができるほど暇な人は少ないからです。業者の協力を得ることで、そのような面倒な作業を大幅に減らすことができます。 自主管理を目指す管理組合にとって、もっとも重要なことは、自分たちのマンションをどのようにしたいのかを明確にすることです。現在の管理会社に不満があるから自主管理にするというのではなく、自分たちの目指すマンションのイメージの実現に助力してくれる管理会社であるかどうかが、管理会社選択の基準となるべきです。 これまでマンション管理において、主役であるはずの管理組合は常に後追いの状態でした。それは法律も同様です。関東大震災後に誕生した集合住宅は、幾つかの新しい局面を経て現在に至っています。現在の最も大きなテーマは、高齢化している区分所有者と、劣化が進む建物への対処でしょう。これから我が国は人口が減り続けるわけですから、住宅は過剰になります。しかも高齢化が進みますから、自分たちのマンションの管理を担う住民も高齢化します。役員のなり手はますます少なくなります。建物の劣化はどんどんの進みますし、最新のマンションとの比較による設備の陳腐化という劣化も含めて、劣化は進行します。 そこに修繕積立金が十分に蓄えられていないという問題や、管理費等の滞納者が多いなどという問題が更に押し寄せてくるわけですから、何もしないでいて今以上に状況が好転することは考えられません。 コンクリートの塊(かたまり)であるマンションを維持保全するために必要なことを割り出してみる。そして将来に備える。問題はそれだけではありません。高齢化する区分所有者の問題があります。最初からマンション外に住んでいる区分所有者だけでなく、居住している区分所有者が高齢化によって保健施設に移ることも目立ってきています。その専有部分は、売却されるか賃貸マンションとなります。マンションは、販売時の立地や販売価格などによって、意外と同じような年齢帯の人が多かったりします。と言うことは、高齢化するときはまとめて高齢化するということです。その時になって、役員のなり手がいないと言っても対処する方法はありません。最近、管理会社が管理者となるという手法が登場しましたが、まだ一般的にはなっていませんし、それが適当であるかどうかの検証も行われていません。いわば実験段階です。誰もが経験したことのない状況に、たたき台として出てきたプランに過ぎません。 不安で暗い見通ししかないかのようなことを述べましたが、しかし今から必要な対処をすれば対応は十分可能であると考えています。そしてそのためには、管理会社にお任せなのがダメなのは当然ですが、更に自分たちのマンションをどういうようにしたいのか、明確にイメージすべきであると考えます。そのイメージに近づくために何をしたらいいのか。それを逆算して割り出します。管理費等の滞納が、単にだらしがない人に対するペナルティではなく、マンションの将来、自分たちの将来を直接脅かす行為であることが分かると思います。 そのようにして将来のマンション像を描いた上で、実現に助力してくれる管理会社であるのかどうかを判断すべきです。毎月の総合管理費や一般管理費だけでなく、各委託業務からピンハネするマージンが自分たちの将来にどのような影響を及ぼすのか、それを考えれば、そうやすやすと全部委託はできないはずです。 一部委託又は全部委託の管理組合では、管理会社に委託することになる場合が殆どでしょう。その管理会社に不満があると、管理会社を変更しようという動きになったりします。 従来の管理会社変更の動機は、現在の管理会社のマイナス面に目を向けて、それを解決するために管理会社変更という手法をとることになります。 実は管理会社の質は、担当したフロントマンの質によります。大手の管理会社ではそれこそ大勢のフロントマンがいて、本社や各支店から配属されることになります。管理会社を変えることは、担当を変えることに直結しますから、新しい管理会社のフロントマンがそれなりに優秀な人であれば管理の質は、向上します。しかしどういう人物が来るのか、管理組合としては運任せということになります。 ところで管理会社は、最小のコストで最大の利益を目指しますから、フロントマンには限界ぎりぎりの仕事をさせます。それは管理会社に限ったことではなく、どの業界でも同じことでしょう。 一人のフロントマンが、いくつのマンション(管理組合)を担当するか、管理会社としては、担当できる限界まで担当させます。時には限界を超えて担当させます(本当)。マンション管理の業界は、人の出入りが激しい業界です。実に短期間で人が入れ替わります。その原因の一つには、限界を超えるような担当物件と、管理組合と会社との板挟みになることですりつぶされているのではないかと考えています。 それはさておき、仮にフロントマンが10物件を担当したとします。そうすると、月30日として、3日に1回理事会があることになります。休み無く働いたとして、一つのマンションに集中できるのは、ひと月の内に3日に過ぎません。 管理会社を変更して、新しいフロントマンが来たとしても、そのフロントマンが他にも担当物件を抱えているとしたら、場合によっては前よりも質は下がります。 同じ能力を持っている人物が二人いたとして、担当物件が10件の人と5件の人とでは当然サービスに差が出ます。多少能力は劣っているとしても、担当物件が少ない人の方が自分のマンションのために労力は多くなるということが普通にあります。 管理組合が管理会社を変更しようとするとき、高層住宅管理業協会のホームページで会員を調べて、大手の管理会社の中から更に絞り込んで各社のホームページを見て情報を収集します。 しかしそこにかかれているのは、管理会社の情報であって、実際に担当するフロントマンの情報は出ていません。 マンション管理の場合、管理の質に直接関わってくるのはフロントマンです。どういうフロントマンが来るかによって、その物件への管理の質は変わります。実際、先月までガソリンスタンドで働いてましたという人が、スーツを着て管理会社の名刺を持ってフロントマンとして配属されるようなことは稀(まれ)ではありません。新しいフロントマンの履歴書でも見ない限り、管理組合としては確かめようもありません。強(し)いて保証書のようなものがあるとした、管理業務主任者の資格を持っているかどうかを確かめるくらいでしょうが、それも確かなものとは言えません。今現在、必死で勉強している人もいますから失礼なことは言えませんが、私に言わせると、管理業務主任者とかマンション管理士の資格とかは、持っていて当たり前の資格です。両方ともペーパーテストですから、実務経験の有無も関係有りませんし、処理してきた場数も問われません。管理業務主任者、マンション管理士の資格を持っているということは、「過去のある一時期にマンション管理の本を一所懸命に読んだことがある」ということを証明してくれるとは思いますが、それ以上のものではありません。さすがに両方の試験とも、一夜漬けで合格できる試験ではありませんから。 管理会社を変更しようとするとき、管理組合としては、より良い管理会社を選択しようとします。それは当然です。しかしそのための客観的な資料は多くありません。結局は運次第ということになりかねない場合が少なくありません。 その証拠には、A管理会社からB管理会社に変更されるマンションもありますし、反対にBからAに変更になるマンションもあります。一方的に選ばれ続ける管理会社や、一方的に排除され続ける管理会社は多くはありません。(私は、一方的にリプレースされ続けている管理会社を幾つか知っていますが、稀少な例だと思います。笑) 日本中で、管理会社は変更されていますが、少数の管理会社の間で行ったり来たりしているというのが現状です。 そのことは何を意味するでしょうか。管理会社とすると、ここで失っても、他で取り返せばいいと考えています。管理会社の変更は日常的にありますから、当然変えられもするし、取りもする。口やかましい管理組合に固執する必要はない、コスト的にあわないようなら変えられて結構ということになります。管理組合の皆さんは、マンションは日本で自分の所しかないという意識でいます。(そんなことは無いと言われるかも知れませんが、実際に多くの方に会ってみると、殆どの人が、そのような意識でいると考えています。)ですから、A管理会社をB管理会社に変更すると、A管理会社は以後仕事が無くなるような感じで捉えますが、実際には、全国500万世帯のマンションの内で、一つや二つの管理を変えられたとしても、それほど大打撃ではありませんし、リプレースは想定内の出来事に過ぎません。管理会社の心の中には、「マンションはお宅だけじゃありませんよ」という気持ちが必ずあります。デベロッパー系の管理会社は特に、どんどんと新しいマンションが建ち上がってきますから、2年、5年、10年の瑕疵担保期間を過ぎたマンションよりも、新築でこれから管理組合を軌道に乗せて、瑕疵担保期間の対応をしなければならないマンションの方に労力を裂かれます。先ほどの例で、フロントマンが10件の物件を担当しているとして、その内の半分が新築後2年以内の物件なら、労力の3分の2はそれらのマンションのために使われるでしょう。 管理組合が管理会社を変更しようとするとき、顧客として選択できる業者の幅はものすごく狭いと言えます。似たり寄ったりの会社から選択することになります。自動車を買うときに似ていますね。トヨタ、日産、ホンダ、三菱…。実はどれもあまり変わりません。残念ながら、オーダーメードで特注しない限り、本当に自分たちのマンションにぴったりの管理会社は見つからないでしょう。 「マンション管理のオーダーメード」、実は私の現在最も大きなテーマですが、稿を改めます。 フロントマンって、何をする人? マンション管理を管理会社に委託すると、だいたいの場合フロントマンと称する人が来ます。年齢もまちまちですが、殆どは男性ですね。どういうわけか男性です。女性でもいいはずですが、女性のフロントマンは極めて少数です。私は個人的には、フロントの仕事は女性に向いているような気がしているのですが、女性と言ってもいろいろな人がいますから一概には言えないでしょうね。 マンションに関する諸々の業務は、理事会で話し合われ、理事長経由でフロントマンに伝えられ、フロントマンが処理をします。 フロントマンは特別な技能を持っているのでしょうか?いいえ。持っていません。フロントマンが常に持っている技能はありません。もしもあるフロントマンが特殊な技能を持っていたとしても、それはその人自身がフロンマン業務とは別個に習得した技能であって、フロントマンが共通に持っている技能というのはありません。 そういう意味で言えば、フロントマンにはいろいろな技能や資格を持っている人がいます。法律に強い人、経理に強い人、損害保険に強い人、建築設備に強い人、建物の構造に強い人、などなどです。およそ社会人であれば何かのプロフェッショナルですから、学校を出ていきなりフロントマンになった人でない限り、プロとしての技能を持っているはずです。 ところで、フロントマンは管理会社の社員ですから、管理のプロフェッショナルでしょうか? ある意味ではYESであり、ある意味ではNOです。 どういう意味でYESかと言うと、マンションに関するありとあらゆる問題について、対応策を探してこられるという意味ではプロフェッショナルと言えると思います。ある問題について、どこに行けば答えを貰えるかを知っています。その意味ではマンション管理全般についてプロフェッショナルと言えます。 では、どういう意味でNOかと言うと、フロントマンは自分では何もしません。誤解を恐れず誇張して言えば、フロントマンがやることは何もありません。自分ではやらずに、誰れかに指示をしてやらせるだけです。清掃、エレベーター点検、消防設備点検、建物点検、設備点検、植栽管理、などなど。自分でやらずに、作業の手配をするのが仕事です。もちろん、理事会に出席して議事録案を作ったり、総会の準備と司会をしたりするのですが、そういう僅かな例を除けば、フロントマンの仕事というのは、仕事の割り振りです。だからこそ、管理会社のフロントマンは10も20ものマンションを担当できるわけです。 優秀なフロントマンでも、自分でエレベーターの点検をする人はいないでしょう。消防設備士の資格を持っているフロントマンでも、消防設備の点検は業者に任せて、自分はその完了報告をチェックするだけでしょう。 つまり、マンションの中の出来事に対して、必要な作業を手配して、それが終わったら点検して理事会に報告する作業がフロントマンの主たる業務で、実は、フロントマンでなくてもできる仕事なのです。 マンションの居住者で、現役をリタイアしたけれどもまだまだ働けるという人がいたとします。その人は経済的に十分なゆとりがあって、ボランティア精神に富んだ人だとします。おまけに器用貧乏という言葉がありますが、いろいろなことに対してちょっとずつ知識を持っているような人。そういう人であれば、フロントマンは十分に務まります。むしろ24時間常駐するわけですから、普通の管理会社のフロントマンより信頼できます。まして他に「担当物件」がありませんから、そのマンションに集中できます。もちろん、問題もあります。一番大きな問題は、そういう人はなかなかいないということです。次に問題なのは、期間が長いということです。一年間はできても、それが5年、10年となると、ずっと大丈夫という保証はありません。更に、実質的にマンションの全てを掌握しますから、理事長以上に発言権が生まれてしまうでしょう。管理会社は外部の業者ですから、ビジネスとして言うことを言えますが、区分所有者、住民の一人の人に対して自由にものを言うのは難しいという問題もあります。まして大きなマンションなら、月額で1000万円以上のお金が動く場合も少なくありません。そのような状況を一人の区分所有者が管理することは望ましくありません。 しかしそのような問題が仮に解決したとすれば、管理会社に高い管理費を支払って業務委託をする必要はありません。逆に言うと、そういう仕組みがないから管理会社に委託しているわけです。別なところでも書きましたが、マンション管理会社は管理業務をすることで収益を上げています。そしてその収益で社員の給料を支払い、自分の会社建物を維持しています。その管理会社に保養所があるとしたら、その保養所の費用も皆さんが負担しているわけです。そのような出費は抑えたいが、フロントマンは必要だ…。では、皆さんの管理組合でフロントマンを雇ったらどうでしょうか?今いるフロントマンの人を管理組合で雇用する。今の給料と社会保険関係の手続をすることを条件とすれば、彼の条件は変わりません。机上の空論に近いのですが、もしもそのようにすれば、管理会社に支払っている余分な出費は抑えられます。もっとも実際には不可能に近いでしょう。なぜなら、家族を養っているフロントマンへの給料は、一つの管理組合だけでまかなうことは難しいですし、将来のことを考えると、彼は応じないからです。しかしマンションの管理費を抑えること、管理費削減、経費節約のことを考えると、そういう方法もあるのです。 (別なところで詳しく書きますが、一つの地域にあるマンションが組合を作って、その組合がフロントマンを雇うのが最も費用を節約できる仕組みです。地域のマンション管理組合の会が徐々に結成されつつありますが、今は親睦団体的な域を出ていない場合が殆どのようです。しかし将来的には共同発注による経費削減の動きとなると考えています。) 自主管理が機能する条件として、事務局長がいること、というのがあります。毎年か数年毎に変わる理事長を補佐する業務として事務局長がいることで自主管理は円滑に行われます。 フロントマンにそのような事務局長としての役目を担って貰うべきですが、実態はなかなかそのようにはなっていません。フロントマンが事務局長として機能しているかどうかが、管理会社を判断する目安になります。会社の方ばかり見ていて管理組合を見ていないフロントマンや、そもそも担当する物件が多すぎる管理会社は、変更を検討すべきです。値段をもさることながら、それ以上に、管理組合の円滑な運営に役立つとは思えないからです。 管理費は何のために遣(つか)うお金か… そう尋ねられれば、マンションの管理のために遣われるお金だと答えるでしょう。それはその通りですね。ところが、管理費は管理のためだけに使われるのか?と聞かれれば、答えはNOです。 多くのマンションでは、管理費は管理のためだけには遣われてはいません(きっぱり)。 −−−管理費は、管理以外に、何に使われるのか?−−− 最もポピュラーな目的外使用は、管理会社を養うために遣われます。 皆さんのマンションが管理会社に業務委託しているとして、フロントマンに会います。毎月か、それ以上の頻度で会うでしょう。では、フロントマン以外の管理会社社員に会ったことがありますか?上司の人でしょうか。年度当初の理事会などに出席したり、トラブルの時に上司の人が顔を出すことがありますから、皆さんもフロントマンとその上司の人には会ったことがあるかも知れません。 では、社長さんに会ったことはありますか?よほど大きなトラブルがあったとき、総会での挨拶…そういうことがあれば顔を見たことがある程度には会ったことがあるかも知れませんね。 皆さんが毎月支払う管理費は、実は会ったことも無い社長さんの給料になったりもしています。 以前、ある中堅の管理会社の社長さんの年収と、その会社が管理している棟数、世帯数から、一世帯あたりの社長さんの給料を計算したことがあります。暇だったので…(笑)。そうしたら、ちょうど一世帯あたり約100円でした。つまりその管理会社が管理しているマンションの区分所有者の皆さんは、毎月毎月、社長さんに100円玉一個ずつ支払っているということでした。当時私はフロントマンでしたので、社長は私の担当していたマンションに行ったことすらないことを知っていました。 マンションの皆さんもご存じないし、社長も知りません。マンションの名前を聞けば、あぁ、そんなところもあったナ…程度には覚えているかも知れませんが、いちいち全部のマンションなんか覚えられません。でも、彼の給料は皆さんの管理費から支払われるわけです。 社長だけではありません。部長、課長などなど。彼らの給料、ボーナス、交通費、社会保険関係費、全て皆さんが負担します。その管理会社が大きな自社ビルを持っていれば、そのエレベーターの保守点検費も皆さんが支払うわけです。つまり皆さんは、自分のマンションと、管理会社のビルを管理するために「管理費」を支払うわけです。 フロントマンはマンションのために仕事をしますから、彼には報酬を支払うべきです。そうしないと、何もしてくれない。それは仕方がないと思います。しかし、マンションのために具体的な作業をしていない人に何故お金を支払うのか?マンションの自主管理は、経費節減、経費の節約に直結して考えられることが多いのですが、そのような不思議な支出を削ることが管理費削減の基準になります。自主管理=管理費削減。管理費を削減するとして、どこまで削減するのか?安ければ安いほどいい。それがマンションの皆さんの本音でしょうが、実は、皆さんの頭の中にも、適正な金額が無い場合が多いのです。その結果、とにかく安く、出銭(でせん)を減らせばいい。そういう具合になります。減らしていいのは、マンションのために働いていない人のための出費なのであって、必要な経費を削りすぎると、管理の質は確実に落ちます。 例えば、管理員業務として管理員一人当たり一時間1500円で業務を委託したとします。管理員さんの手取は、1000円に届くか届かないくらいでしょう。残りの500円は、管理員さんの交通費や制服その他に遣われ、残りは管理会社の儲けです。管理員さんが休んだときの交代要員の確保等がありますから、単純に全額が儲けにはなりませんが、図式を単純にするとそういうことになります。管理会社が管理員業務を受託していながら、下請けに出している場合があります。その下請けは、管理員を雇用するのではなくて請負(うけおい)で雇っているような場合もあります。請負を偽装するわけです。管理会社と下請け会社がピンハネしますから、管理員さんには半額強くらいの賃金が行けばいい方かも知れません。 自主管理の相当部分は資産管理が占めます。管理費が適正に遣われているかどうか。それを確認する必要があります。自主管理をする場合だけでなく、一部委託、全部委託する場合も同様ですが、まず最初にやるべきことは、自分たちが支払っている管理費の何%が自分たちのマンションのために遣われているのかを確認することです。全部委託のマンションで、粗利(あらり)が3割なら、管理費は70パーセントしか自分たちのマンションには遣われていないことに気づくべきです。自分たちのマンションのために汗水流してくれる人には、それなりのお金を支払わなければ管理の質が落ちます。しかしそれ以外の出費はバッサリと切る。それが管理費削減、経費削減の基準です。 自主管理とボランティア管理とは違います 。自主管理をするという場合、自分たちでできることは自分たちでやろうということになる場合があります。しかし、自主管理と、ボランティア管理(こういう言葉はありません。ここでの造語です。)とは、はっきりと分けて考えなければなりません。 マンション管理には、他人にやってもらえることと、やってもらえないことがあります。他人にやってもらえることの例は、清掃です。やってもらえないことの例は事業計画の立案や予算案の立案です。管理会社が事業計画や予算案を作ってくれるとお考えになるかも知れませんが、管理会社が作るのは「たたき台」です。それをそのとおり決定したり、修正したりするのは管理会社ではできません。 別な言い方をすると、筋肉を使ってする作業は他人に代わってもらえますが、頭を使って決定する作業は他人に代わってもらえません。 自主管理というのは、管理会社の言うとおりにするのを止める、すなわち自分たちで判断して決定する管理のことです。他人にやってもらえることはやってもらった方がいいです。なぜなら、管理組合の活動が住民や役員の負担になるのを減らせるからです。自主管理体制だからといって、住民や役員が掃除道具や大工道具を持ち出すことは得策ではありません。よほどその仕事を楽しんでできる人でもない限り、必ず負担やストレスにつながるからです。役員のストレスは、悪循環を生みます。どのようなストレス下と言うと、@ストレスが溜まるから我慢してやるようになる→A役員になっても積極的に参加しなくなる→B理事長に作業が集中する→C理事長もいやいやながら仕方なくやるようになる→D理事長のなり手がいなくなる→E誰れかが嫌な役目を仕方なく受ける→F新しい役員に負担が集中してストレスが溜まる。このような悪循環です。その結果、毎年一人以上ずつ、管理組合活動から気持ちが離れる人が出ます。そのようにして、管理組合活動は沈滞していきます。 もしも役員が何かを決定するだけの作業に集中できたとしたら、役員はそれほど大変な仕事ではなくなると考えています。もちろん責任は重大ですから、責任が軽くなることはありません。しかし、手間のかかる作業を減らすだけで、役員のストレスはだいぶ減るはずです。具体例を挙げます。理事会で何かを決定するとしましょう。議題は何でもいいのですが、例として、「管理費の長期滞納者に内容証明郵便を出すか出さないか」であるとします。理事会で内容証明郵便を出すことに決まるまでに、実はいろいろな作業があります。理事会の招集のための電話連絡、各理事の日程の調整、理事会の場所の決定と確保。理事会で飲むお茶を用意すること。滞納者に関する資料(氏名・金額・期間・遅延損害金の額、内容証明郵便を出さない方がいい特殊事情が有るか無いか、などなど)を用意すること。それを人数分コピーすること。内容証明を出すために必要となる事項の整理(例えば、どこで内容証明郵便用の便箋を買えるか、など)。理事会議事録の作成と、出席理事の署名・押印。それ以外にもまだまだ「作業」はありますが、省きます。それらの作業は、どうでもいいような作業なのですが、でも理事会が行われる度に誰れかがやっているわけです。多くの場合理事長です。理事長は、「内容証明郵便の送付の可否」を判断する以外に、そのような作業を行います。管理費の長期滞納者に内容証明郵便を送ることは、たいていの場合可決されるでしょう。そのような簡単な判断をするためだけに、理事長は実に多くの「作業」を行わざるを得ないのが実態です。 でももし仮に、理事長が夜8時に会社から戻ったときに、自宅のテーブルの上に資料が乗っていて、一覧しただけで長期滞納者への内容証明郵便送付の可否を判断できたとしたらどうでしょうか?出すか出さないか。その判断だけをして、電話なり、メールなりでどこかに連絡すれば、その結果が他の理事の判断と一緒に集計されて、翌日には理事全員に返送されて、同時に内容証明郵便の文案も届いているとしたら、理事長の仕事もそれほどストレスにはならないと思います。 ではその作業は誰れが行うのか?普通は管理会社です。管理会社に期待できなければ、有能な事務局長の登場に期待するしかありません。しかし管理組合が活性化するためには、誰れもが管理組合活動にストレスを感じないものにしなければならないし、そうすることで、役員のなり手が無いという問題の解決にもつながりますから、役員のストレスを減らすことは、絶対条件であると考えるべきなのです。 マンションの自主管理を成功させるか失敗させるかの分かれ目は、役員にストレスを感じさせない仕組み作りができるかどうかです。ストレスを感じなければ誰れもが役を引き受けられます。そうすれば気軽に管理組合活動に関わることができるようになります。そうなると「自分なりにできること」の幅が広がりますから、多くの住民(区分所有者)が管理組合活動に関わるようになります。それが活性化をもたらします。そのような好循環を作り上げられるかどうかが、自主管理、ひいては管理組合活動を充実させる決め手になるのです。 輪番制で、管理組合の理事の役が回ってきたりしますよね。まぁ、仕方がないか、一年間は、我慢しないと…と考える人もいるでしょう。マンションの人たちにも協力しないと、という気持ちで理事になってみると、初めてのことばかり。毎月の理事会に出ても、聞いたことも無いようなテーマが話し合われてたりするので、正直言って、何がなんだか分からない(笑)。 それでも管理組合の運営に関わるようになると、マンションの管理のために行われていることとかにも接するようになるし、へぇ…こんなことをやってるんだぁ…っていうことにも出くわしますね。 排水管洗浄、消防設備点検、巡回設備点検などなど。住民でいる間は気がつかなかったけど、役員として関わるようになると、また別な視点でものを見るようになりませんか? エントランスに自転車を止めると、こんなに迷惑なものなのか…とか、管理費を滞納すると、回収するのはこんなに面倒なのか…とか。 管理組合のおおよその仕組みと役割が分かってくると、管理会社のフロントマンの人と付き合うようにもなりますよね。ときどき担当者が代わったりする。最初の人、二番目の人。あれ?代わる頻度が多くない?せめて一年交替くらいになってもらわないと、いつも引継が終わると別な人が来るっていう感じになっちゃうけど…。 何かのきっかけで管理会社や管理費に目が向きます。管理会社って、何をしてくれてるの?どういう基準で管理費って、値段が決まるの?そういうことを考えている内に、管理費の値段を下げられないのかなぁ…とか、もっとてきぱきと仕事を処理してくれる管理会社の方がいいんじゃないのかなぁ…とか考えるようになって、我慢の限界を超えたとき、管理会社変更っていう単語が、理事の誰かの頭の片隅に初登場しますね。 最初はその人の頭の中にだけあった言葉は、互いに口にすることで、だんだんと形になってきます。世間には管理会社変更ってよくあるみたいだよね、っていう軽い話題から、うちの管理会社って、どうなの?っていう分析になって、管理会社変更のメリットとデメリット、管理会社変更の仕方などなど、調査と分析は進みます。そしてそれがやがて、正式な議題として理事会で検討される。 理事会では、甲論乙駁。管理会社変更に賛成派と反対派に分かれることが多いみたいですね。全員一致で管理会社変更に賛成というのは、よほどひどい管理会社の場合で、だいたいは賛成と反対に分かれるケースが多いのではないでしょうか。 反対派の反対理由のトップは、めんどくさいから…(笑) 賛成反対の意見調整をして、やがて意思統一。管理会社変更。 タイムテーブルを作って、総会から逆算して予定を組みます。 コンペをやろう プレゼンテーションもやろう 現管理会社に管理委託契約の不継続、または解約を通知。 そうすると、現管理会社の文書管理がちゃんとしていなくて、引継が大変そうだなんてことが分かってきたりする。 予定はどんどんと進みますね。 新管理会社候補の決定。 総会に上程。 一応可決(笑) それから業務の引継。 どのくらいかかるものなのか… 目安は一年でしょうか。普通は、そのくらいの期間がかかります。 さて、管理会社変更後の最初の理事会。 新しいフロントマンと、(最初なので)その上司の人が来たりする。 あいさつ。頑張りますので宜しくお願いします。(ぺこりお辞儀) そうして新しい管理会社による管理業務が始まります。 これで一件落着か… いや、そではありません。 実は、ここから始まります。 今まで数十年間一戸建てに住んでいたけど、今回新たにマンションを買って移り住んだ人。 結婚して賃貸マンションにいたけど、思い切って分譲マンションを買った人。 そういう人たちにとって、モデルルームの見学から始まって、契約、内覧会、不具合箇所の修繕期間が終わる2年間のことは初めての体験のはずです。 管理は、弊社の系列の管理会社が行いますから、大丈夫ですよ。 販売の人は、そう言いましたけど、嘘ばっかり(笑) でもその時は、あぁそうなのかぁ…って思うしかありませんでしたよね。 それが自分のマンションの管理のあり方を考える途中で、いろいろと勉強して、管理会社を変えようという意思以外に、もう一つ芽生えるものがあったと思います。 それは、漠然としているとは思いますが、自分たちのマンションをどういうふうにしたいのか、そのイメージを作ることだと思うんです。 そのイメージ作りが、とても大切だと考えています。 わたくしども、当マンション管理支援ネットワークの使命は、皆さまの中に芽生えたそのようなイメージに形を与えるお手伝いをさせていただくことであると考えております。 単に業者に頼むのを止めて自分たちで作業をするような自主管理が、実は大変危険なものであることなどは、別なところでお話ししたいと思いますが、わたくしどもは、あるべき管理の形は、住民の皆さまが自分たちのマンションをどういうふうにしたいのかを自覚して、皆さまの労力をかけず、費用も節約してマンションを運営していく、そういう形を「自主管理」と呼んでいます。 そしてこのホームページや、各種の業務を通じて皆さまのお手伝いをさせていただきたいと願っています。 長々と述べましたが、疑問な点がひとつでもあれば、是非、ご相談されて皆様のマンションをよりよくされることをお奨め申し上げます。 |
すべて”マンション管理士”有資格者です。
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司法書士 | 一級建築士 | |
税理士 | 不動産コンサルティング技能士 | |
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